『Illustrator ABC』のカバーまわりの作業手順をざっと紹介します。この本に限らず、わたしがカバーまわりの作業をするときは、だいたいこんな感じです。
2013.07.05
記事内に、『Illustrator ABC』の関連ページが記載されています。そちらもご覧いただくと、機能やメニューについての理解が深まります。
わたしの場合、ひとつのドキュメントで表紙、カバー、帯をまとめてデザインしています。この状態だと、重ねた状態をシミュレーションしやすいからです。
トンボは共用できないので、最終的にそれぞれについてつくります。デザインが完全に決定するまでは、裁断位置の枠だけつくっておいて、トンボはつくらないこともあります(なぜかというと、作業中に間違えて移動したりすることもあるから)。[効果]メニューのほうのトンボにしておくと、入稿直前に正確なサイズになっているか確認できるので、心配性なひとは安心です。アウトライン化を忘れないようにしないといけないですが。
デザインが確定するまでは、複数のデザイン案もレイヤーを分けて存在しているので、もっとぐちゃぐちゃです。左図はドキュメント分割直前くらいの状態なので、整理されていますが。
これはあくまでわたしがやってる方法で、デザイナーさんによっては、最初からドキュメントを分けて作業していることもあるかもしれないです。
以下は、関連するレイヤーだけを表示にした状態です。
裁断位置を確認したいエリアごとに、トリミング用の長方形をつくっておくと便利です。トンボだけで切れ方がわかるのは人間じゃないです。
折トンボは直線ひいてつくってます。表紙とカバーでは、こんなふうに折る位置が微妙に違います(左図は重ねて表示したとこです)。サイズは自分で決めるんじゃなくって、指定もらいます。余裕のとりかたは、出版社とか編集、あと紙の厚さとかによって変わります。
帯とカバーにまたがっている図柄がある場合、帯のほうをずらす必要があったりします。帯外すと服が違うよとかそういうやつ(マイルドに表現しています)。
わたしはまず、ドキュメントを3つ複製して、それぞれいらないレイヤーを削るという方法で分けています。修正とか、間違えて消したときに戻れるよう、元のドキュメントもそのまま残しておきます。
入稿時には文字もアウトライン化します。修正が発生したら、元のドキュメントで修正して、[同じ位置にペースト]を利用して分けたドキュメントに持ち込んでいます。
が、ドキュメント間でアートボードの数が違うと、[同じ位置にペースト]がうまく効かないみたいなんですよね。同じアートボードを選択してても。ただ、でっかいオブジェクトと一緒に移動すると効くので、不思議仕様です。
いまの入稿事情だと、[線]をアウトライン化する必要まではないんだろうと思いますが、いちおう何があるかわからないので、余裕あるときは全部アウトライン化して合体かけておいたりしますね。アピアランスとかでやばそうなのもぜんぶ分解します。後顧の憂いをなくすというか。